†*†ヴァンパイア学園†*† 巫女姫×王子
第15夜.母と父の願い
慶仁は、伊蕗の言葉に息を飲んだ。
しかし彼の眼は真剣そのもので、冗談を言っているようには
とても思えなかった。
「本気、なんだな?」
「もちろんだ。冗談で、こんなこと言えない。君と冬夜の事は、俺たちが命に替えても守るから・・・だから。」
「分かった。」
昔からそうだ。
伊蕗も彩姫も、言い出したら誰の言葉も聞かない。
例え、間違っていると分かっていても。
だからこそ、言わなかった。
きっと辛い決断だったに違いないから。
それに、自分の命に替えても守るだなんて
余程のことがあったんだろう。
慶仁が承諾の言葉を発した瞬間、少し表情を和らげ
そして、伊蕗はゆっくりと静かに話し始めた。