†*†ヴァンパイア学園†*†  巫女姫×王子


白色の丸い石。なのに、時々七色に光る不思議な石。

少し小ぶりの淡いピンク色の石が、白い石を挟んでいて

とても女性らしく、そして彩姫にとても似合っていた。


それは、いつしか彩姫が嬉しそうに

伊蕗に初めてもらったプレゼントだって、言っていたもので

それ以来いつも身に着けていた。




「瑞姫・・・渡すのが遅くなってしまったが・・・。」




慶仁さんはそう言いながら、細長い小箱を取り出し

私に差し出した。


ゆっくりとそれを受け取り、小箱を開ける。

すると、そこにはキラキラと輝くネックレスとその下に

二つのリングが置かれていた。




「慶仁さん、このリングは?」

「それは・・・彩姫と伊蕗の結婚指輪だよ。二人の形見と言えるものは、もうそれだけなんだ。」

「お父さんと、お母さんの・・・」




10年以上も経っているはずなのに

キラキラと輝くシンプルなプラチナのリング。


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