†*†ヴァンパイア学園†*† 巫女姫×王子
その時の事を思い出し、思わずギリッと歯を噛んだ。
すると、胸の中に抱いていた瑞姫の体が
ビクッと一瞬震え強張ったのが分かった。
「・・・すまない。」
「ううん。私こそゴメンなさい。嫌なことを思い出させてしまって。」
そう言いながらも、ほんの少し声が震えていることに気が付いた。
人の負の感情に敏感な彼女の事だ。
ちょっとした人の動作や表情で察知してしまう。
さっきの俺の動作にも、怒りが含まれていたことを察知し
自分に向けられたかのように感じてしまったのだろう。
俺はギュッと抱きしめていた腕を少し緩め
胸に埋めていた彼女の顔を、そっと覗き込む。
「アイツの話は、これで終わりな。それより、伊蕗さん達の事知りたくないか?」
「お父さん達?」
「そ。伊蕗さんや彩姫さんの事」