†*†ヴァンパイア学園†*†  巫女姫×王子


病弱な俺の母親、咲耶とは違い

健康的な肌をした“ 明朗活発 ”と言う言葉が合う人だ。


けれど、俺の視線は彼女じゃなく瑞姫と呼ばれた赤ちゃんに向いていて。


彩姫さんに抱き上げられた瑞姫は嬉しそうに笑っている。

だけど何故か彼女から離れようとしているのか

両腕を精一杯伸ばして、「う゛~ぅ」と声を上げていた。




「あらら、どうしたのかしら。降りたいの瑞姫。」

「あいっ。あ、あっ。」




そう言って、手を伸ばした先は

・・・・・・えぇっ?!俺っ??




「まぁ、瑞姫ったら冬夜君の事が気に入ったみたいね。珍しい事もあるもんだわ。」




そう言いつつ瑞姫を畳の上に下し「迷惑じゃなかったら、抱いてあげて」と

俺に瑞姫を近づけた。




「え、でも。俺、赤ちゃんなんて触ったことないし・・・」




力加減が分からない。もし、俺が触れて壊れてしまったら

どうしたらいいんだ?

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