†*†ヴァンパイア学園†*† 巫女姫×王子
唯でさえ、さっきから遠巻きに私たちを見る視線を
痛いほど感じてるっていうのに・・・
「あ、ちょっと待って。」
「あ゛ぁ?」
不機嫌な声が上から降ってくるけど、そんなのは気にしない。
私が気にしたのは、まだ頭を擦っている蒼生君の方で。
「大丈夫?痛いの痛いの飛んでけっ・・・どう?痛くなくなった?」
たんこぶが出来た頭を、優しく撫でる。
びっくりしたのか、蒼生君は目を大きく見開いたまま
私に撫でられていた。
「バカじゃねぇの。そんなんで痛くなくるわけねーだろ。」
「慶仁さん直伝のおまじない、バカにしないで。」
「チッ・・・行くぞっ」
不良青年を睨み、冷静な声でそういうと
彼は顔を歪ませ、また舌打ちをした。
そして半ば無理矢理に腕を引っ張り、連れ去られるように教室を出た。