†*†ヴァンパイア学園†*†  巫女姫×王子


そう思った私は、踵を返し部屋を出ようとした。

が、それは叶わなかった。

なぜなら、目の前に一瞬で移動してきた颯斗さんに

扉の前に立たれてしまったから。




「ダメだよ。君をココから出す訳にはいかない。冬夜と約束したからね。」

「退いてください。私、行かないと・・・」

「どうやって?」

「それは・・・」




魔界に行く方法なんて知らない。

ましてや、魔界がどこにあるのかも。

だけど・・・このまま、彼の帰りを待つなんて・・・私には出来ない。

そうだ、慶仁さんなら・・・。




「慶仁さんに聞くわ。だから、そこを退いて。」

「行かせないよ。」

「どうして?颯斗さんは、冬夜の事が心配じゃないの?」




俯いて、キュッと下唇を噛み

今まで感じた事のない、苛立ちを抑えながら拳を握りしめた。


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