†*†ヴァンパイア学園†*† 巫女姫×王子
「だとしても、君は行かせない。」
「どうして?」
「忘れているようだけど、君の血は俺達ヴァンパイアにとって甘美で魅惑的な存在なんだ。今だって、俺は君の血を欲している・・・」
「っ・・・」
スッと距離を縮め、私の首筋に颯斗さんの柔らかな髪があたったかと思うと
彼の息が首筋にあたった。
「颯斗先輩っ」
「黙ってろッ」
何時になく、鋭く言い放った言葉に蒼生君も紅寧さんも
身体をビクッと揺らし、それ以上何も言わなかった。
冬夜と・・・いや、彼らと付き合うようになって
彼らの目が、紅く光った時の気配がなんとなく分かってきた。
だから今、颯斗さんの目が紅く輝いているのだと感じる事が出来る。
「私は・・・私の全ては、冬夜のもの。血、一滴もあげるつもりはないわ。」
「君にそのつもりがなくても、実際俺はこうして君に触れている。君はどうするつもりなの?」
「・・・颯斗さん。あなたは見たはず。私の力を・・・」