†*†ヴァンパイア学園†*†  巫女姫×王子


あの日、花火の夜。

私は冬夜にお願いして、奪う力のコントロールが出来るように

方法を聞いていた。



その方法は、私の本来の力を解放すること。

つまりそれは、私の過去の記憶を全て取り戻すことを意味する。




「コントロール、出来ないだろ?」

「試してみる?」




スッと体を離し、真意を確かめるみたいに私を見つめる。

その瞳は、もう赤く光っていなかった。

私は負けじと颯斗さんの宝石のようなオッドアイの瞳を見つめ返す。



そして、スッと彼から視線を外し

窓際に飾ってあった、薔薇の花に集中すると

パンッと何かが弾けたように、薔薇の花が一瞬にして散った。




「ふっははは・・・分かったよ。」

「颯斗、さん?」

「瑞姫ちゃんの覚悟を試したんだ。ゴメンね。」


< 224 / 391 >

この作品をシェア

pagetop