†*†ヴァンパイア学園†*†  巫女姫×王子


いつものように柔和な笑顔を浮かべる、颯斗さん。

それを見た双子は、ホッと息を吐きだし緊張を解く。

それと同時に部屋の空気が、一気に軽くなったように感じた。




「でも、覚えておいて。魔界は君が思うより優しくない。危険だと感じたら、今の力を躊躇なく使うんだ。良いね?」

「分かったわ。」

「よし、じゃ皆で魔界に乗り込もうか。」

「ありがとう、颯斗さん。あ、私着替えてくるね。」




そういうと、足早に部屋を出て寮に向かった。

でも、その足は生徒会のある建物から少し離れた場所で止まってしまった。

振り返り、時計塔のような建物を見上げる。



あの時、颯斗さんは“ 今の力 ”って言った。

私の力じゃなくて・・・・・・。

きっと颯斗さんは、気が付いてるんだ。

あの力は、私の“ 命を奪う力 ”じゃない事に。



祭りの夜、確かに私は冬夜に

自分の力をコントロールできるようになりたいと

その方法を聞いた。


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