†*†ヴァンパイア学園†*† 巫女姫×王子
第20夜.囚われしもの
あたりは、暗闇に包まれ
どこからか、水が落ちているのか
ピチョン、ピチョン・・・とソレの音だけが響く。
あれから、どのくらい経ったのか。
1時間・・・いや、数日経っているのかもしれない。
この世界は、陽が昇ることはない。
ただ闇に包まれ、仄かに月の明かりが空を照らすだけ。
だから、尚更時間の感覚が分からない。
それに、俺の手足は拘束され
今動かせるのは、首だけだ。
俺が居るのは、たぶん地下牢。
城の地下深くにあり、罪人や血に飢え自我を失ったものを
拘束するために作られた場所。
そんな場所に、俺が入ることになろうとは――――――――
くそっ。
気を付けていたはずだったのに。
ふいに、俺と母親が住んでいた離れが気になって
覗き込んだ瞬間、後ろから鈍器のようなもので殴られてしまった。
一生の不覚だ――――――――