†*†ヴァンパイア学園†*†  巫女姫×王子


少しずつ、昔の瑞姫に戻りつつあるんだ。

あの頃の無邪気な瑞姫に。



だからこそ、俺はこんなところで

のんびり捕まってる訳には、いかない。



今度こそ、アイツを守らなきゃ。

伊蕗さんと彩姫さんとの約束、果たすんだ。



ガシャンッ!!



思いっきり力を込めて、拘束具が外れるように

腕を伸ばす。

けれど、またしても大きな金属音だけを辺りに響かせるだけで

ビクともしない。





「無駄よ。その拘束具は、特別に作らせたものだから。」

「千景っ。」




音もなく現れた千景を睨み付け、殴りかかろうとしたが

拘束具が邪魔で、近づくことも出来ない。



そんな自分自身が、歯痒くてムカつく。


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