†*†ヴァンパイア学園†*† 巫女姫×王子
私には分からない異変を、みんなは感じているようで
皆の息遣いや表情で、緊張感が伝わってくる。
小鳥の囁きや木々の擦れる音すらしない
闇に包まれた世界。
普段は、こんなにも静かではないのだろうか。
もっと生き物の息遣いや叫び声が聞こえてくるんだろうか。
ここは、ヴァンパイアが住む世界。
そういうのも、あるのかもしれないと
少し想像して身震いする。
「なんか、姫。変な想像してない?」
「え?」
「なんていうか、SF映画ちっくな・・・そんなんじゃないよ?」
蒼生君がクスッと苦笑する。
それを見たヒロも、小さく溜息を吐きクシャっと私の頭を
少し乱暴に撫でた。
ヒロらしい、優しさ。
「安心しろ」って言っているみたい。