†*†ヴァンパイア学園†*† 巫女姫×王子
今、何が起きたの?
風が吹いたかと思ったら、蒼生君だけ後方に飛ばされた。
今のは、千景が・・・千景の力、なの?
木に打ち付けられた拍子に、口の中を切ったのか
ペッと血を吐き、口元を拭う蒼生君。
「姫。俺は、大丈夫だから。」
「でも、血が・・・。」
「こんなの、すぐ治る。へーき、へーき。」
いつも通りの、可愛い笑顔を浮かべる。
でも、彼が打ちつけられた木を見るを大きく凹み
今にも倒れそうな勢いで、後ろに傾いていた。
いくら、ヴァンパイアだからって
木が倒れそうなくらい強く打ちつけられたのに、平気だなんて
強がりとしか思えない。
「そんな雑種を気にする余裕があるのね。でも、コレを見たらどうかしら?」
紅い口元をニヤリと片方だけ持ち上げ、意味深に笑う。
それと同時に、闇夜にある映像が浮かび上がった。