†*†ヴァンパイア学園†*† 巫女姫×王子
それは、私が探し求めていた人。
だけど彼の両手は鎖で繋がれ、ぐったりと項垂れている姿だった。
「っ・・・・・・とう、や?」
「ふふっ・・・そうよ。この魔界の王子、そしてあなたの愛しい人。」
ドクン・・・ドクン・・・
私の心臓が、重く跳ねる。
落ち着け。大丈夫。
冬夜は簡単に捕まる筈ない。
なにか・・・なにか、考えがあるはず。
冬夜を、信じるのよ。
ギュッと左手を胸の前で握りしめ
心臓を・・・体の奥で渦巻く力を静める。
そして、空中高く浮かぶ彼女に目を向けた。
遠目でもわかる、彼女の威圧的なオーラ。
この人が、冬夜の継母。
実のお母さんを死に追いやった女、千景。
そして、このヴァンパイア界を・・・教会とハンターを裏から操る黒幕。
私たちの――――――― “ 敵 ”