†*†ヴァンパイア学園†*† 巫女姫×王子
今から数分前。
彼女は、自らの意志で千景の元に歩み出た。
きっと俺達を守るために。
そして、冬夜に逢う為に。
千景は、そんな彼女の意図を知ってか知らずか
クスクス笑いながら、姫を伴って
空間移動した。
彼女は・・・姫は、どうなるのだろう。
俺達、ヴァンパイアに特別な力を与えるという姫の一族。
千景は姫を使って、その力を得ようというのだろうか。
だとしたら、彼女の命はどうなる?
「姫・・・。」
「蒼生、何処へ行くの?」
「もちろん、姫を助けに行く。みんなは、どうするの?」
「・・・死ぬかもしれないよ。それでも?」
「颯斗先輩。そんなの、ココに来るときに覚悟してる。」
「上等だ。行くぞ。」
ニッと口元だけ笑って、俺の頭を小突くバカ猿、裕人。
続いて、小さく溜息を吐きながらも穏やかな笑みを浮かべる颯斗先輩。
紅寧も嬉しそうに、ピョンと小さく飛び跳ね俺の隣についた。