†*†ヴァンパイア学園†*† 巫女姫×王子
さぁ、行こう。
俺たちの、姫と王子を助けに――――――――――――
「蒼生。なんだか、イイ男になったね。」
「元々、良い男だっつーの。」
隣に立って、俺の顔を覗き込む赤い瞳。
いつも一緒にいて、俺と同じ顔をしたソイツ。
俺の好みも、行動も、すべて知っているはずなのに“ 良い男になった ”だなんて
もし、俺が変わったとすれば
それは、姫の・・・瑞姫のお蔭だ。
瑞姫を好きになったから。
初めて守りたいって心から思える女(ヒト)に出逢ったからだ。
「とは言え、そう簡単に行かせてはくれないみたいだね。」
そういう颯斗先輩の視線を追って、前を凝らして見てみれば
紅い瞳を光らせた人影が複数いる。
「千景の奴、やってくれるじゃん。」
「ビビッてんのか?」
「そんな訳ないでしょ、バカ猿・・・俺、20ね。」
「バカ猿っていうんじゃねー、チビ。俺は、30だ。」
「くだらない事言ってないで、行くよっ。」
颯斗先輩が駆け出すとともに、俺達も一気に敵に向かって駆け出していた。