†*†ヴァンパイア学園†*† 巫女姫×王子
「その前に、この芳しい香りを堪能したいねぇ~。」
「・・・私の血は・・・すべて冬夜のものよ。あなたにあげる血なんて、一滴も無いわ。」
「ふふっ・・・・・・生意気な言いようも大概におし!!」
先程まで浮かんでいた笑みは、完全に消え
紅い口からは、ヴァンパイア特有の牙を抜き出しにし目を吊り上げ
怒りを露わにする千景。
それと同時に私の首には、彼女の細く長い指が絡みつき
ギュッと締めつけていく。
息が・・・出来ない。
首に巻きつけられた、千景の手を外そうと自分の手を掛けるけれど
ビクともしない。
それどころか、ますます締め付けられる力は強くなり
意識が飛んでしまいそうだ。
「っ・・・うっ」
「たかが人間のくせに、生意気な口をきくでないわ。お前の命は、私が握っているのよ。お分かりかしら?」
なんとか意識を保ちながら、小さく首を縦に動かす。
その時の私には、それが精一杯だった。