†*†ヴァンパイア学園†*† 巫女姫×王子
「良い子ね・・・。」
「ごほっ・・・ぇ?・・・。」
不気味な笑みを浮かべ、私の首に掛けていた手を外す。
千景の手が外れたことにより、私の体に重力が甦り
浮遊感が体中を包む。
だんだん千景の姿が、私から離れていく。
酸素が脳に満たされ、思考を巡らす。
――――――え、なに・・・・・・千景が遠くなって・・・
今、地上に向かって落ちているのだと理解するのには
たぶん、1・2秒しか掛かっていないはず。
だけどその数秒が、数時間にも感じられた。
「あなたの泣き叫ぶ顔・・・見ものだわ。あら、あの子の血が・・・勿体ない。」
紅い口から、ペロリと舌をだし長く尖った爪についた
瑞姫の血を舐めとっていく。
下を見れば、瑞姫の血の香りに集まったのか
赤い眼を光らせた、おそらくは下級の同族が姿を現し
今か今かと、瑞姫が落ちてくるのを待っていた。