†*†ヴァンパイア学園†*†  巫女姫×王子


瑞姫の願いに呼応するように、彼女の周りに突風が巻き起こり

そして光に包まれていく。




「素晴らしい。」




嬉々とした表情を浮かべ、見下ろし

上空から成り行きを見守る千景。



この闇の世界には、相応しくない光があたりを包み

地上に集まっていた者たちの、呻き声や叫び声が響く。



それと同時に、地面も抉り形を変えてゆく。

城だけは障壁があるのが、何かに弾かれ瑞姫の力は届かなかった。





しかし、地下牢に閉じ込められていた冬夜には

外の異変が届いていた――――――――――



城が小さく揺れ、地下牢にもそれは響き伝わった。

揺れと共にカラカラと小さな石が天井から落ち、埃が舞う。




「っ、なんだ?・・・今、瑞姫の血の匂いが一瞬したようだけど・・・真坂、瑞姫この世界に来ているのか?」



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