†*†ヴァンパイア学園†*†  巫女姫×王子


真っ暗な、地下牢に繋がれた冬夜の姿。

彼に駆け寄ろうとするけれど、足がその場に固定されたように動かない。




「冬夜っ!!」

『瑞姫・・・ゴメン。約束、守れない・・・』




何時になく、弱気な彼の言葉。

それに、繋がれた手足からは血が滲み

体中に傷跡があった。



痛々しい姿。

辛いのは冬夜の筈なのに、何故だか胸が痛い。



いつもなら、そんな傷一瞬で癒えるのに

それは深く痕を残し、消えそうもなかった。

やっぱり、血が足りないのかもしれない。




「待ってて。今、私の血を・・・」

『・・・来るな、瑞姫・・・俺は、お前を殺してしまう・・・』

「どう、して・・・・・・冬夜っ?!」




紅い色を放つ彼の瞳からは、どす黒い血が流れ始め

ブクブクと皮膚が奇妙な音をたてて膨れ、彼の姿を変えていく。




「いや・・・冬夜・・・いやあぁぁぁぁぁああっ!!」



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