†*†ヴァンパイア学園†*†  巫女姫×王子



「なら、ココがどこだかぐらい教えてくれても良いわよね?」

「本当に気が強い子ね。いいわ、教えてあげる。ココは城の西塔の最上階」

「最上階・・・」

「そうよ。小窓があるけれど、逃げようなんて考えない事ね。即、死ぬわよ。」




と、何が面白いのかクスクスと赤い唇をニヤリと持ち上げ笑う。

最上階・・・冬夜が居るのは、きっと地下牢。

同じ城の中に居るのに会えないなんて、もどかしい。




「ふふっ。そんなに、王子に会いたいの?」

「っ・・・」

「そんなに慌てないで。もうすぐ会わせてあげるわ。それまで、大人しくしていることね。」




もうすぐ、会える。

でも・・・もしかしたら、それが最期になるかもしれない。

そんな予感が頭の片隅によぎる。



ふと、小窓に目をやった。

すると、そとから微かだけど賑やかな声が聞こえた。




「なんだか、外が騒がしいのね。いつもこうなの?」

「今夜は、特別よ。」

「特別・・・」


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