†*†ヴァンパイア学園†*†  巫女姫×王子


何故だろう。

形見のネックレスを触ったからだろうか。

不思議と怖くはなかった。

それと同時に、冷静さを取り戻せたみたい。




「人間のくせに、もっと弱くて泣き叫ぶかと思ったのに・・・期待はずれね。」

「そう。残念ね。」

「お前が真神家の人間でなければ、今この瞬間に喰らってやったのに。」




千景は苦虫をすり潰したみたいに、顔を歪め

そう言い捨てながら、この部屋から出て行った。



真神の人間――――――――――――

ヴァンパイアに特別な力を授けるという家柄。

やっぱり、千景の目的は私の力か。

私の・・・命を奪う力―――――――――



ふと、颯斗さんの恋人『蜜瑠』さんの事を思い出した。

彼女は颯斗さんを守りたい一心で、自分の力全てを注ぎ込んだ。

それにより颯斗さんは生き返り、彼女の身体は消え

彼の片目となった。



千景は、どうやって私の力を取り込もうと言うのだろう。

無理やりにでも、自分のものにする方法を知っているのだろうか。

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