†*†ヴァンパイア学園†*†  巫女姫×王子


とにかく、その時が来るまで

私は今倒れるわけにはいかない。

そう思い、侍女が持ってきてくれた食事に手を付けることにした。



しかし、それがいけなかった。

千景の策略は、すでに始まっていたのだ。



食事を半分食べ終えたころ

急に眠気が襲い、起きていられなくなった。



やばい・・・・・・

手にしていた箸も、持っていられなくなり

ベッドの上にそのまま倒れこむ。



それを見計らったように、千景が姿を現した。

今度は扉からではなく、ヴァンパイアの力を使って―――――――




「生意気な娘め・・・ほら、起きなさい。」

「・・・・・・は、い。」




何かに操られたように上半身を起こし、返事をする瑞姫。

けれど彼女の瞳には、意識が感じられない。

そんな瑞姫の顎を掬う様に右手の長い爪で軽く上げ、囁く。




「今夜、あなたは私の一部となるのよ。」

「はい。仰せのままに・・・」


< 268 / 391 >

この作品をシェア

pagetop