†*†ヴァンパイア学園†*†  巫女姫×王子



「少し席を外す。儀式までには戻るが、それまで任せたぞ。」

「承知致しました。」




宴が始まり暫くすると、白夜が千景に声を掛け

この場から姿を消した。



千景はその行動にさほど気にすることなく、彼が姿を消したと同時に

椅子から立ち上がりバルコニーから、この場に集まった同胞たちを見下ろした。



今宵、この世界は我が手に堕ちる―――――――――――

やっと、あの方との約束を叶える事が出来る。




「同胞たちよ。今宵は我らにとって記念すべき日になるだろう。この狭き世界より解き放たれるのだ。」

「王妃様、ばんざーい」

「千景様、ばんざーい」




今夜、何が行われるのか知っているのか

口々に歓声をあげる。



刻一刻と、瑞姫の死へのカウントは始まっていた。

千景の後ろに立つ瑞姫自身、そうだとは気が付かないままに。

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