†*†ヴァンパイア学園†*†  巫女姫×王子


月食と儀式――――――――――――

どちらかが無くては、なりたたない。

それを千景は知っていた。



だからこそ、長年の時を掛け

この時を待っていたのだ。



生徒会のメンバーもまた知っていた。

冬夜と瑞姫を除いて―――――


このことは、慶仁から情報を貰っていた。

貰ったのはこの世界にくる少し前だったから、先に来ていた冬夜や

眠っていた瑞姫には話す機会がなかったのだ。



どうすればいい?

どう動けば、2人ともココから助け出せる?

時間は限られている。

颯斗が考えを巡らせていると、ベランダにいる千景が動きを見せた。




「なに、あれ。」

「ワイングラスだろ?」

「喉でも渇いたのかな。」

「ただのワイングラスじゃない・・・この匂い。っ、あれは・・・冬夜の血だ」


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