†*†ヴァンパイア学園†*† 巫女姫×王子
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闇夜に浮かぶ月が半分に欠けた頃
ベランダでは、千景が侍女からグラスを受け取り
含みを帯びた笑みを浮かべ、くるくると回していた。
「我が同胞たちよ。時は来た。今より、儀式を行う。」
両手を掲げ、下に集まるヴァンパイアに声を掛けると
その千景の言葉に、待ってましたと言わんばかりの歓声が沸き上がった。
「さぁ、瑞姫。お前の出番だよ、コレをお飲み。」
「はい。千景様。」
棒読みの瑞姫の声。
けれど足取りは、しっかりをしていた。
瑞姫は千景からグラスを受け取り、千景に指示されるがままに
ベランダの一番前に歩み出る。
そして、そのグラスをゆっくりと口に近づけてゆく。
その様子を固唾を飲んで見つめ、辺りは静寂に包まれ
誰一人として、言葉を発しない。