†*†ヴァンパイア学園†*†  巫女姫×王子


このままじゃ、彼らまで巻き添えにまってしまう。

この力は、抑えられない。



瞬間的にそう感じた。

いつもの命を奪う力とは、感覚が違う。

けれど皆に大声で叫ぶ事も出来ず

やっとの思いで口に出せた、その言葉。



どうか、届いて。

みんなだけでも、逃げて無事でいて欲しい。



(・・・ごめんなさい・・・さよなら・・・)



一筋の涙が頬を伝う。




「さぁ、瑞姫。私に力を、お前の力を全てよこすのだ。」




そう高笑いをする千景。

一歩、一歩と私に歩み寄り肩に手をかけると

動けない私の首に、尖った牙を吐きたてようとした。



その瞬間。

パンッと空間が裂けるような音がし、肩に手を掛けた千景の腕が切れて

弾けるように飛んでいった。

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