†*†ヴァンパイア学園†*†  巫女姫×王子




「紅寧、蒼生。隠れろ、急げっ!!」




城壁の外では

異変を素早く察知した、颯斗の声が響いていた。



今にも壁を乗り越えようとしていた蒼生の足を引っ張り

ヒロが引きずりおろす。

紅寧も慌てて壁の外側に飛び降りた。



壁を楯代わりに、身を潜めようとした瞬間

瑞姫を中心に突風が起こり、周りを無にしていく。

颯斗もヒロも、蒼生、紅寧も

壁ごと吹き飛ばされ、瓦礫に埋もれていく。




「チッ、力が暴走しているな。」

「なんで・・・瑞姫は、俺の血を飲んだ筈だ。なのに、なんで暴走するんだ。」

「契約には、本人の意思も必要なんだ。それをあの女は無視した。その結果がコレだ。」

「じゃ、瑞姫はどうなるんだ。」

「・・・・・・このまま、力を使い果たすまで暴走し続ける。」




苦虫を噛み潰したように、顔を顰め

目下で起きようとしている終末を見つめる白夜。


< 286 / 391 >

この作品をシェア

pagetop