†*†ヴァンパイア学園†*† 巫女姫×王子
「紅寧、蒼生。隠れろ、急げっ!!」
城壁の外では
異変を素早く察知した、颯斗の声が響いていた。
今にも壁を乗り越えようとしていた蒼生の足を引っ張り
ヒロが引きずりおろす。
紅寧も慌てて壁の外側に飛び降りた。
壁を楯代わりに、身を潜めようとした瞬間
瑞姫を中心に突風が起こり、周りを無にしていく。
颯斗もヒロも、蒼生、紅寧も
壁ごと吹き飛ばされ、瓦礫に埋もれていく。
「チッ、力が暴走しているな。」
「なんで・・・瑞姫は、俺の血を飲んだ筈だ。なのに、なんで暴走するんだ。」
「契約には、本人の意思も必要なんだ。それをあの女は無視した。その結果がコレだ。」
「じゃ、瑞姫はどうなるんだ。」
「・・・・・・このまま、力を使い果たすまで暴走し続ける。」
苦虫を噛み潰したように、顔を顰め
目下で起きようとしている終末を見つめる白夜。