†*†ヴァンパイア学園†*†  巫女姫×王子


冬夜の瞳は紅く輝きを放ち

ぐわっとヴァンパイアの牙をむき出しにする。

そして力を最大にし壁に突進する。



が、魔力を最大限にしても

瑞姫の力の方が強いのか、なかなか壁の中に進めない。

やっとの思いで右腕だけ壁の中に入れたものの

瑞姫の命を吸い取る力と風の所為で

衣服は千切れ、露わになった腕も火傷を起こしたように

煙が出始めジワジワと皮膚が焼けただれ始めた。




「止めんか。死にたいのか、お前は。」

「俺は、約束したんだ。瑞姫が死ぬなら、俺も一緒だ。もうあんな思いは・・・大切な人を失うのは、嫌なんだ。」

「だとしても、無闇に突っ込むのは得策じゃ無い。」

「なら、いい考えがあるのかよ。」

「まぁ。お前次第だがな。」



後ろから羽交い締めにしながら、冬夜を止めに入る白夜。

そして、冬夜に何かを耳打ちすると何処かに姿を消した。


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