†*†ヴァンパイア学園†*† 巫女姫×王子
第24夜.友情と愛
城壁の瓦礫が散乱する中
壁の一部と思われる大きな石の下から埃まみれの手が現れ
一気にそれを投げつけた。
「ってー・・・何があったんだ?」
首をポキポキ鳴らしながら、腕を回し
長身の体を起こすヒロ。
「ちょっと、危ないじゃない。投げる方向ちょっとは考えなさいよっ」
「なんだ、生きてたのか。」
「このバカ猿っ!!」
ヒロの投げた瓦礫のそばに居たのか
別の瓦礫の上に仁王立ちになり、ドンドンと足を踏み鳴らす紅寧。
「・・・どうでもいいから、俺の上から退いてくれ。紅寧。」
「?、あら。そんなとこに居たの、蒼生。」
紅寧の足元にあった瓦礫の下から
呆れたような、少し苦しそうな声が聞こえ紅寧がピョンと瓦礫から飛び降りる。