†*†ヴァンパイア学園†*† 巫女姫×王子
薄く微笑み、瓦礫の上に立つ颯斗に近づくと
白夜はそっと何かを耳打ちした。
話を聞いた颯斗は、信じられないとでも言うように
目を大きく見開き、暫く彼を見つめる。
颯斗の考えを読んでいるのか、そうでないのか
白夜は「頼んだぞ」と言い残しその場から姿を消した。
一瞬、白夜の言葉を疑った颯斗だったが
それが今自分に出来る最善の事だと判断した颯斗は
気持ちを切り替え、仲間の気配を感じる方に踏み出した。
(冬夜・・・信じているからな)
「あ、颯斗せんぱーい」
「あーいたいた。もう、どこ行っていたんですかぁ?」
目の前には、元気に手をふる赤と青の双子。
その少し後ろに、髪をクシャクシャと掻きながら気怠そうなヒロが
颯斗を待っていた。