†*†ヴァンパイア学園†*†  巫女姫×王子


「準備は良いか、桐の坊!」

「その呼び方、やめてくださいって。何度言えば分かるんですか。」




少し不服そうに、顔を歪める颯斗。

その周囲にいた紅寧や蒼生は、声を押し殺して笑っている。

ヒロは最初は笑いを堪えていたものの

堪えきれなくなったのか肩を震わせながら、そっぽを向いた。




「親父、どういうことだ?なんで、アイツらがいる?」

「最初の突破口は、私が切り開く。だが、お前の力だけでは瑞姫のところへは辿り着かん。」

「だからって、アイツらを巻き込むなっ。」

「冬夜、俺達は仲間だ。お前と同様、瑞姫ちゃんを助けたいんだよ。」

「そうよ、王子。一人で、なんて水臭いじゃない。」

「少しは俺達を頼ってよ。」

「俺らを信用してくれ。」

「・・・お前ら・・・」




もしかしたら、自分の命すら危うくなるのに

頼って欲しいという、気持ちが嬉しくて目頭が熱くなる冬夜。

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