†*†ヴァンパイア学園†*†  巫女姫×王子


蒼生はかなり頑張って、服は引き千切れ

皮膚だけでなく、髪も焼けつくまで堪えたが

颯斗と冬夜の説得で、離脱した。



残るは、颯斗と冬夜のみ。

なのに風の威力は増すばかりで、瑞姫の姿は一向に見えない。

風の嵐で、方向すらままならない。

本当にこの先に瑞姫がいるんだろうか。

疑心暗鬼になりかけた瞬間、颯斗の声が現実に引き戻した。




「見えた。」

「瑞姫っ!!」

「冬夜、後は頼んだぞ。」

「ありがとう、颯斗。」

「お礼は、2人で帰ってきてからにしてよね。」




ニッと笑うと、その場から離脱した。

颯斗が居なくなると、まともに風と自分を蝕む熱さが

襲いかかり、瞬く間に皮膚が焼けついていく。



この痛みや苦しみに耐えて、皆は俺をココまで連れてきてくれた。

だから、みんなに応えるためにも

俺は、アイツらの元に瑞姫を連れて帰る。


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