†*†ヴァンパイア学園†*†  巫女姫×王子


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颯斗が、ある部屋からトレイを持って出てきた。




「颯斗先輩。姫の様子は?」

「王子は大丈夫なの?」




颯斗に駆け寄り、心配そうな顔をして詰め寄る双子。

その双子に、首を左右に振って答える。



あの夜から1週間が経つのに瑞姫は一向に目覚めない。

白夜が言うには、冬夜が瑞姫の暴走を止めるために行った吸血行動により

極度の貧血状態に陥っているのと、急激に力を放出した事による体力の消耗。

そして何より、人間からヴァンパイアになったことにより

体の変化に精神が追いつかないのだろう、と。



いつ目覚めるかは、瑞姫しだい。

1時間後なのか、1か月後・・・または1年後。

もしかしたら、このままずっと・・・という事もあり得る。



冬夜は、あの日からずっと瑞姫の傍から離れない。

いつ瑞姫が目覚めてもいいように。

いつ喉が渇いても、すぐに血を分け与えることが出来る様に。


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