†*†ヴァンパイア学園†*†  巫女姫×王子
第26夜.夏の終わり


短い悲鳴を上げた瑞姫ちゃんに、双子は思い切りダイブした。

余程、嬉しかったのだろう。

一瞬助けを求める様に、視線を向けれくれたけれど

俺は動けなかった。



だって、彼女の瞳が一瞬ゆらっと紅く輝いたから。

笑った顔も戸惑った顔も依然と変わらないのに

その瞳だけが、ヴァンパイアのソレになっていた。

彼女は、間違いなくヴァンパイアになったんだと思い知らされた。



いや、白夜さんの話だと

元々彼女は、ヴァンパイアである伊蕗さんと人間の彩姫さんとの間に生まれた

ヴァンパイアハーフなのだ。

ヴァンパイアに戻った、と言った方が正しいのかもしれない。



まだ双子は嬉しそうに瑞姫ちゃんに抱きついている。

普段だったら、触るなっと寄せ付けない冬夜も

「今だけ許す」とか言って、なすがままだ。

でも、そろそろ止めないと。彼女は目覚めたばかりだし。


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