†*†ヴァンパイア学園†*†  巫女姫×王子


どこかへ飛んで行ってしまった蝶々を目で追いながらも

冗談を言い合っていると

不意に、太腿に重さとフワリとした感触がした。

太腿に目を落とすと、気持ち良さそうに目を伏せている

彼が横になっていた。




「なに?」

「・・・ふっ。可愛い黒猫さんだこと。」

「っ、だ、誰が黒猫だよっ」

「あーダメ。起きないで。」




悪態を吐きつつ、起き上がろうとした冬夜を

もう一度、太腿に寝かせて髪を撫でる。

本当に可愛い。

ほら、耳が真っ赤。照れてるのバレバレだもん。



さわさわっと心地よい風が二人を包む。

あ、この匂い。




「冬夜の匂いと同じだ。」

「ん?」

「何でもない。」

「?・・・変なやつ」

< 337 / 391 >

この作品をシェア

pagetop