†*†ヴァンパイア学園†*† 巫女姫×王子
どこかへ飛んで行ってしまった蝶々を目で追いながらも
冗談を言い合っていると
不意に、太腿に重さとフワリとした感触がした。
太腿に目を落とすと、気持ち良さそうに目を伏せている
彼が横になっていた。
「なに?」
「・・・ふっ。可愛い黒猫さんだこと。」
「っ、だ、誰が黒猫だよっ」
「あーダメ。起きないで。」
悪態を吐きつつ、起き上がろうとした冬夜を
もう一度、太腿に寝かせて髪を撫でる。
本当に可愛い。
ほら、耳が真っ赤。照れてるのバレバレだもん。
さわさわっと心地よい風が二人を包む。
あ、この匂い。
「冬夜の匂いと同じだ。」
「ん?」
「何でもない。」
「?・・・変なやつ」