†*†ヴァンパイア学園†*† 巫女姫×王子
第4夜.新月の夜
「理由を、聞かせてください。」
拒否権がないなんて、納得できない。
理由があるなら、聞きたいし
単なる遊び半分なのだとしたら、絶対に断る。
私は、平穏に慎ましく過ごしていきたいの。
「俺が、お前を選んだから。」
「は?・・・それ、だけ?」
「あぁ。」
まさかの、それだけ・・・。
あぁ、なんだか頭が痛くなってきた。
「君は特別なんだよ。」
颯斗さんが、フォローするように口を挟む。
けれどその言葉は、私が暗い場所の次に嫌いなもの。
あの部屋から出てきた時に言われ続けてきた。
『君は特別な子なんだ。』『特別な力があるんだ。』
私は、特別になんてなりたくない。
特別な力なんて・・・あんな力なんて欲しくなかった。
普通に生きて、普通に暮らしていきたいのに・・・