†*†ヴァンパイア学園†*†  巫女姫×王子


新月は、ヴァンパイアの力が弱くなる日だ。

もしかしたら、それが影響して昏睡状態に陥るのかもしれない。

こうなってしまえば、呼んでも身体を揺すっても

何をしても起きないのだ。



最初の新月の日は、本当に驚いた。

また、あの日の様にいつ目覚めるのか分からない日が続くのかと

思ったりもしたが、新月の翌日にはケロッとした顔で彼女は起きてくる。



いったい瑞姫の身体に何が起きているんだろうか。

あの日、俺の血を飲んでヴァンパイアの身体に間違いなく戻ったというのに。

ヴァンパイアになる事で、瑞姫の力は抑えられたのではないのか?



分からない事ばかりだ。

今の俺に出来ることは、傍に居て彼女に起きること全てから守る事ぐらい。




「瑞姫、俺はお前を傷つける全てのものから守るからな。」




コンコン・・・

不意に、ドアをノックする音が部屋に響く。

まぁ、俺の部屋に来るやつなんてアイツくらいしかいないけど。

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