†*†ヴァンパイア学園†*† 巫女姫×王子
え・・・抑える必要はない?
今まで、そんな事は言われたことはない。
だって、私の奪う力をコントロール出来るように常に気を遣ってくれていたのに。
「瑞姫。君はもっと、自分の力を使うべきだ。君は、特別なんだから。」
違う。
慶仁さんじゃない。
慶仁さんは、私のことを “ 君 ” なんて呼んだことはない。
それに第一、特別だなんて私が一番嫌いな言葉を言う筈がない。
「あなた、誰?慶仁さんは、何処にいるの?」
「ふふ。バレた?彼が無事かどうかは君次第だよ、瑞姫。」
「どういう事?」
「一人で、ココに来れたら話してあげる。」
「一人で・・・」
「そう。冬夜やヴァンパイア王に言ったら、彼は生きていないと思いな。じゃ、会えるのを楽しみにしているよ。」
プツッと一方的に伐られる電話。
私は呆然としたまま、ツーツーと無機質な音を鳴らすスマホを耳から離す。