†*†ヴァンパイア学園†*† 巫女姫×王子
良かった。
話、聞かれてなかったんだ。
ホッと胸を撫で下ろして、屋上を後にした。
その様子を、ヒロがジッと見つめていた事にも気づかずに
学校の校門を出た瞬間、私は走り出した。
急いで、実家に帰えろう。
あの人が、何を考えているのか分からない。
私の今の力を、使ってでも今すぐに行かなきゃ。
夏にみんなで帰った時には、電車を使ったけれど
今回はそんな時間も惜しくて
ヴァンパイアの力を使って、瞬間移動で空間を飛ばした。
でも、まだ私は使いこなせていないので一回の距離が短い。
十数回繰り返して実家に辿り着いた頃には
殆ど力を使い果たしていた。
「はぁ、はぁ・・・っ」
「やぁ。思ったより時間がかかったね。」
「っ。あなたは、あの時の・・・」