†*†ヴァンパイア学園†*†  巫女姫×王子


息も切れ切れで、辿り着いた私の目の前には

涼しい顔で足を組みながら、大鳥居の階段に座る

男がいた。



彼とは一度会ったことがある。

そう、スポーツ大会のあの日。

保健室に侵入してきたヴァンパイアだ。

だけど―――――――――――




「なんで・・・」

「なんでって言われても。君に逢いたかったから、だよ。」

「違う。あなたは、誰。」




そう、あの時は確かにヴァンパイアの気配を感じた。

けれど、今は――――――――――違う。

なんで、どうして・・・。

今は至って普通の人間の気配だ。




「俺は、紫貴。知っているんだろう?」

「紫貴?・・・もしかして、転校生?でも、あの時は確かに・・・。」

「その理由は、すぐに分かるさ。」


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