†*†ヴァンパイア学園†*† 巫女姫×王子
紫貴の後を追うように歩いていくと
目の前には、私が住んでいた離れが見え始めた。
けれど、彼は歩みを止めることなく
離れを通り過ぎ、奥の滝がある方向へと足を進めていく。
「離れに行くんじゃなかったの?」
「無駄口叩かず歩け」
態度悪っ。
紫貴って、めちゃめちゃ性格悪いんじゃないの?
滝の目の前で止まる紫貴。
腕に抱えられたまま、零士は腕を伸ばし滝に向かって掌をかざす。
すると、目の前の滝が二つに割れその中から洞窟が姿を現した。
うそ。
滝の裏に洞窟があったなんて知らなかった。
驚いている私を余所に、2人は水の上を歩くように洞窟に向かって歩き出す。
戸惑っていると、不意に足を止めた紫貴が振り返り
また冷たい声音で「これくらい、出来るだろ?」と言った。