†*†ヴァンパイア学園†*† 巫女姫×王子
零士は、紫貴の腕からふわっと身体を浮かし離れると
千景の傍に行き、氷に包まれた彼女の頬を撫でた。
「哀れな女。命を懸け甦らせたのに、俺は何もしてやれない。」
「・・・千景を愛しているの?」
「さぁ、どうだろうな。」
意味深に微笑む零士。
顔は幼い子供なのに、雰囲気は大人の男そのものだ。
「私に何を望むの?」
「感が良くて、助かるよ。」
「・・・。」
「お前は、他者に力を与える事が出来るのだろう?」
「っ、それは・・・」
確かに、出来る。
奪う力の正反対の力。
自分の力を、分け与えること。
だけど、今までそれを敵に求められた事はない。
零士は何を考えているんだろうか。
一瞬身構えてしまったけれど、意外な言葉が零士の口から発せられた。