†*†ヴァンパイア学園†*† 巫女姫×王子
神楽鈴を手にし、スーッと息を吐く。
そして慶仁さんの笛の音を思い出し、手足を動かしていく。
シャン、シャン―――――――――
右へ左へ・・・優雅にしなやかに・・・
だんだん鈴の音が心に響き渡り、ざわついていたものが鎮まり
澄んでいくよう。
「いい香りがすると思ったら・・・君が巫女姫か。」
後ろからジャリッと石を踏む音がして
男性の声が聞こえた。
誰だろう・・・
外出は、誰であっても寮長の許可が要るはずなのに。
なんて自分の事は棚にあげた状態で、そう思ってしまう私。
舞を途中で止め、その人の方に向き直る。
「こんなところで、巫女姫に会えるなんて光栄だな。」