†*†ヴァンパイア学園†*† 巫女姫×王子
「お前の力を、コイツに与えてくれないか?」
「・・・。」
「ただで、とは言わない。お前は自分の力を制御する術を知りたいのだろ?」
「それは、そうだけど。」
「俺が教えてやる。こんな体だが、ココは確かだ。」
人差し指を曲げ、こめかみ辺りをトントンと軽く叩く。
そんな零士を私は一瞬何を言っているのか分からず
目をパチパチ瞬いて見ていた。
「え、良いの?」
「あぁ、構わん。俺は、こいつを助けたい。」
助けたい?
零士が?千景を?
冬夜から聞いていた、冷徹で力のみを信じ求めたであろう
零士のイメージが変わる。
自分の命を懸けて助けてくれた、愛する女性を助けたい。
そう彼は言ったのだから。
彼も、温かい心をもったヴァンパイアなんだ。
そう思ったら、なんだか嬉しくなった。