†*†ヴァンパイア学園†*† 巫女姫×王子
一番口が堅くて信頼できそうな人―――
そう思った瞬間、頭に浮かんだのは、ヒロ。
ヒロは、蒼生君たちみたいに私にピッタリつくことはなく
少し離れたところから見ている。
そして、必要な時に必要なことをしてくれる。
まぁ。紅寧さんに対しては、いつも喧嘩腰だけど。
「たとえ信頼できそうな奴でも、零士さんのことは言うなよ。あんた口が軽そうだから」
「そんなこと言わないわよ。失礼ねっ」
ヒロかぁ。
納得して、協力してくれるかなぁ。
だけど協力してくれたとして、冬夜たちに内緒にしてくれるだろうか。
なんだかんだ言っても、ヒロは冬夜を尊敬している。
魔界の王子と言うだけでなく人として。
ん?人・・・ではないか。ヴァンパイアとして、か。
「とにかく、あんたに教える日は今週の金曜日だ。夜はあいつらが見回りするんだろう?」
「・・・いつだって、冬夜たちが監視してる。だけど、彼らがいるのは学園周辺のみ。だから学園から少し離れた隠れの森なら大丈夫。」