†*†ヴァンパイア学園†*† 巫女姫×王子
訳が分からないまま、寮に入り独り静かに考えていた。
今日一日の出来事を。
出来るだけ細かく、思い出しながら。
何かがおかしい。
私の知らないところで、何かが起きている?
そう言えば、特Aクラスの人達を今日は見ていない。
いつもなら校庭や、寮の近くで見かけるのに。
今日は満月・・・・・・関係があるんだろうか?
何気に窓に近づき、空を見上げた。
怪しげに輝く、赤い月。
「っ、冬夜?」
ふと、寮の外にある木の茂みに人影を見つけた。
それは間違いなく私を見ていて。
一瞬冬夜に見えたが、陰に隠れて顔がよく見えない。
目を凝らしてもう一度見たけれど、その姿はどこにもいなかった。