†*†ヴァンパイア学園†*†  巫女姫×王子


その場所から、離れなければいけないのに目が離せない。

冬夜は、何をやっているの?



暫くして、冬夜が女の人の首筋から顔を上げた。

月明かりに照らされた彼の口元は、赤く濡れている。



あ・・・血を、血を啜っていたんだ・・・

そ、か・・・彼はヴァンパイアだもの、ね・・・そうか・・・



やっと、体が動いた。

足元がふらつきながら、私は来た道を歩いていた。



ふっ・・・うぅ・・・



涙が、ひとつ零れ落ちる。

これは、一体何の涙?

怖い・・・悲しい・・・辛い・・・



どれも、違う気がする。

でも胸が苦しい。締めつめられるよう―――――――


< 78 / 391 >

この作品をシェア

pagetop