†*†ヴァンパイア学園†*† 巫女姫×王子
第9夜.すれ違う想い
あの日から丸一日たったが、彼女はまだ目覚めない。
生徒会の一番最上階にある冬夜の部屋。
そこのベッドで静かに眠る瑞姫ちゃんの姿。
なにが彼女に起きているんだろうか。
「冬夜は、知ってるんだろ?彼女の力のこと。」
「あぁ。」
ベッドの端に腰掛け、愛おしそうに瑞姫ちゃんの髪を撫でる冬夜。
正直なところ、二人の過去に何があったのかは知らない。
けれど深いところで繋がっているってことは分かる。
他人に興味を持たない冬夜が
瑞姫ちゃんをあんなにも気にかけているのだから。
「こいつは・・・瑞姫の力は、生と死。今回のように、相手の命を奪うこともあれば与えることもある。」
「与える?・・・それって、治癒ってこと?」
「少し違うな。瑞姫の場合は、自らの命を削りソレを相手に分け与える。」
「それじゃ瑞姫ちゃんは・・・」
俺の左目のマリンブルーの瞳が、ズキッと疼く。