†*†ヴァンパイア学園†*† 巫女姫×王子
「怖いとか、悲しいとかじゃないんです。ただ・・・。」
「ただ?」
「寂しかった・・・。」
そう、私は寂しかったんだ。
冬夜に“ 俺のものだ ”と言われて、学園の薔薇だからと守られ
いつしか私は、冬夜に必要とされていると思っていた。
なのに冬夜は私ではなく、別の人の血を啜っていた。
彼に“ 欲しい ”そう言われれば、私はいつでも差し出したのに。
キュッと下唇を噛み、涙が出そうになるのを我慢した。
「言い訳じゃないけど。満月の夜は・・・俺達の力が強くなるのと同時に、喉の渇きも酷くなるんだ。」
「それなら、なおさら私の血を・・・」
「冬夜は君を大切に思ってるからこそ、呼ばなかったんだと思う。衝動に駆られて、血を飲み干してしまうかもしれないから。」